ドラマ「相棒」小野田官房長を辿るブログ

ドラマ「相棒」の登場人物で特に好きなのが小野田官房長。その小野田官房長登場回を全部辿ってみます。

相棒シーズン9第9話「予兆」

ついに、小野田官房長最後のシーズンです。いや、正確には、官房長の実質的なラストシーズンはシーズン8。どういうことか?

 

官房長は、シーズン9の真ん中、2010年12月23日に上映された劇場版Ⅱに登場し、その中で殉職します。実は、この劇場版Ⅱは、2010年夏の設定。つまり、官房長は、シーズン9開始の2010月10月時点ですでに亡くなっていたことになります。

 

では、この第9話「予兆」がなぜ官房長登場回かというと、この回も2010年夏の設定。オ―プニングを見るとわかります。

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放送日は2010年12月22日、劇場版Ⅱの上映開始の前日で、話の内容も前日の設定でつながっています。なので、第9話「予兆」の中では、官房長はまだ健在ということです。第1話より前に時間が遡っているわけです。

 

朝帰りの神戸君が、通りがかったガレージ内で女性の遺体を発見。被害者は警察庁の職員。しかも、遺留品から、警視庁のエリート藤崎と交際していたことが判明。ここから警視庁と警察庁の対立につながっていき、その対立構造は劇場版Ⅱまでつながります。

 

いつも通り、勝手に捜査に加わる右京さんは神戸君と警察庁に聴取に行く前に官房長に電話をします。でも、官房長は不在。官房長の机がアップになります。 

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右京さんが警察庁を探ろうとしていることは、警察庁長官金子(宇津井健)の耳に入り、金子は特命2人を呼び出し、直接話をします。その中で、官房長と右京さんの関係に触れる金子の言葉に、以前から興味津々の神戸君は大河内さんといつものバーで探りを入れます。

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ここで、神戸君は、20年前の籠城事件の話を知ります。

この2人の行きつけのバー、ロケ地は銀座水響亭。(http://www.dynac-japan.com/suikyotei/

 

真犯人は、藤崎の妻(吉田羊)であることを突き止めた右京さん。しかも、被害者女性は、警察庁の機密情報を警視庁の人間である藤崎に流していたことも判明。長官の金子は小野田官房長を呼びます。官房長はいる、という設定ですが、実際には登場しません。

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最後の最後、ついに官房長が登場しますが、数秒のシーンでセリフなし。思わせぶりな余韻を残したまま、翌日の劇場版Ⅱで官房長がたっぷりと登場し、しかも殉職という衝撃のシーンにつながる、という展開です。

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というわけで、官房長の存在が何度も示されるのに、「ちゃんと」は登場しない、という、風変わりな「登場回」でした。

 

 

 

相棒シーズン8サマリ

シーズン8の官房長の出演率は21%。シーズン9途中に上映された劇場版Ⅱに登場し殉職しますが、通常回の出演は、実質シーズン8が最後になります。シーズン8はどの回も、

 

・官房長は、組織の都合を優先し、巧妙に先手を打って組織への波風をおさえる。

・正義を優先する右京さんはそれを受け入れることなく抗議する。

 

というパターンで描かれていたように思います。

相棒シーズン8最終話「神の憂鬱」

シーズン8の最終話スペシャル。帝都物産早乙女係長が本社ビルから転落死し、監視カメラの映像から、係長が転落した直後に急発進した白いセダンの所有者を追ったところ、持ち主は首都警備保障の岩井。その岩井も殺されてしまう。2つの事件の背景には、警察が秘密裏の開発していた顔認証システムFRS(=Facial Recognition System)があったという事件の構造。FRSには、特命係に来る前の神戸君も開発にかかわっていました。

 2つの事件の追及により、秘密のはずのFRSの存在が公になってしまうという矛盾を抱えた察は、2つの事件を自殺で処理しようとするものの、FRS開発担当者の伊達警視に行きついた特命2人。困った官房主席監察官の渡辺が官房長に泣きつくところで官房長登場。

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問題は、警察の論理より、自身の職務の全うを優先する大河内監察官。官房長は大河内さんよ呼び出して、まず抑えにかかります。

 

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官房長は、大河内さんにFRSの存在と、さらに、FRSセンターが立ち上がった暁には右京さん、神戸君をセンターの主任捜査官、主任運用官に抜擢しようという構想を教え、それが大河内さんが構想する日本版FBIにつながるとして、伊達警視の捜査を止めようとします。

 

しかし、特命2人が事件の真相を解明してしまいます。1つ目の早乙女は自殺、2つ目の岩井は、産業スパイが絡んだ殺人でした。しかも、岩井は早乙女の行動を追うために未公開のFRSを利用していた。このままではFRSが公になってしまうということで、官房長室にかけこんだ渡辺ですが、官房長はあっさりと、得意の一言。

「ああ、それはもう手を打ちました」

 

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官房長の手打ちは、産業スパイの容疑は送検しないこと。そのことを走査一課から聞いた特命2人は官房長しつへ。

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神戸「これが小野田官房長のやり方ですか・・・」

官房長「日本の国益を真っ先に考える警察庁のやりかたです」

 

渡辺主席監察官は、FRSセンターおよび特命2人をその主任捜査官、主任運用官にアサインする案を長官官房の審議官らに正式に伝えに行きます。官房長も同席。

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佐藤人事課長「(FRSを)官房長はご存じで?」

官房長「今日知りました」

 

いやあ、たぬきですねえ(笑)。

 

最後に、官房長と右京さんの会食シーン。官房長が呼び出したようです。警察庁に戻る前祝いと言って、FRS捜査官に抜擢することを伝えます。

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しかし、右京さんはそんなことはさらりと流し、今回の事件はまだ解決していないと主張。産業スパイである犯人が岩井さんからデータを盗み、海外企業へ流した疑いがある。それを送検しなかったことが、のちのちの国益を損なうことを指摘して、席を立ちます。

ところで、この場所、中華料理店ではなく、山野美容専門学校http://www.yamano-bc.jp/)のオフィスを中華料理店に仕立てたようです。山野美容専門学校は相棒で頻出のロケ地ですが、レストランとして使われたのはこの回だけかな。

 

右京さんの能力を大いに認めつつ、警察組織の論理を優先して巧妙に立ち回る官房長、それに真っ向から反対し正義を貫く右京さん、といういつもの構造が明確に描かれた回でした。

 

FRSセンター、特命2人を主任捜査官、主任運用官にする話は、その後の相棒では一切触れられなくなり、そのまま神戸君は卒業してしまったので、あの話どうなったんだろうと気になるのですが、どうもあれっきりみたいですね。

 

 

 

相棒シーズン8第10話「特命係、西へ!」

元日スペシャル。相棒初の京都ロケ。

 

京都で呉服店を経営する高村が東京都内の歩道橋から転落し遺体で発見されます。高村は死の直前、都内のホテルに電話をかけていたことが判明。右京さんと神戸がそのホテルを訪ねると、偶然にも神戸の学生時代の恋人・唯子(檀れい)と再会します。

ホテルのロケ地は目黒にあるプリンセスガーデン。

https://www.princess-garden.co.jp/

 

しかし、唯子はボディーガードらしき男たちに守られ、ホテルから逃げるように姿を消してしまいます。生前の高村の行動、手に握っていた紙きれ、唯子との関係から、事件解決のカギは京都にあると考え、刑事部長から強引に与えられた休暇を利用して京都へと向かいます。

 

京都で捜査を進める中、新たな殺人が発生。唯子に嫌疑がかかり京都府警に取り調べを受けているところを右京さんが救うのですが、そこに刑事部長から電話がかかり東京へ呼び戻されます。休暇中に無断で捜査をしたことに、刑事部長は「今度は終わりのない休暇」ととがめますが、そこへ官房長から電話が。京都での捜査は自分が指示したこと、と言って2人を救います。

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2人は官房長室へ。当然、官房長が特命2人を救ったのは別の狙いがあるから。でも、右京さんはそれもお見通しのようです。

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官房長「別に貸しを作ろうと思ったわけじゃないから」

右京さん「懲戒ともなれば、京都で起きた事件も含めて、改めて細野唯子の関与が取り沙汰される。それを避けるまでの措置」

 

官房長室には、唯子のボディーガードらしき男が。実は厚生労働省の人間でした。唯子の勤める研究所を管轄する省庁。

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唯子の研究対象はiPS細胞。その実用化に目途が立ち、その情報が洩れるのを防ぐためにボディーガードが回りを固めていたらしい。これで、殺人事件に対する唯子の容疑はなくなりました。

 

再び京都に戻った特命2人は、見事に2つの殺人事件の真相を解明します。その背後にある官房長を含む上層部の狙いに気づいた右京さんは官房長室へ。これもよくあるパターンですね。

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真犯人の前川の不穏な動きに気づいていたため、厚労省は唯子にボディーガードを付けるなどの措置を取ったようですが、官房長も右京さんたちをしれっと利用した。そんなところのようです。

 

今回は、京都のいろんば場所が登場しました。そのロケ地マップです。

http://goo.gl/MYhxGz

 

 

相棒シーズン8第7話「鶏と牛刀」

この回は、いきなり官房長室から始まります。年金保険事務所の面々から、捜査二課から横領の容疑で目を付けられている職員藤石の逮捕を少し待ってほしいとの依頼。「おたくは不祥事のデパートで紹介」とチクリとやりながらも受諾する小野田流。

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右京さんと官房長の会食。今回は焼き鳥屋。転落死した藤石が実は逮捕寸前ながら上層部の圧力で抑えられていたことを知った右京さんが、官房長の差し金と察知して真相を聞き出そうとしたのでしょうか。年金保険事務所の「トカゲの尻尾切り」の話題と、焼き鳥のボンジリ(=尻尾)を食べるところがそれとなくシンクロ。

焼き鳥屋は練馬駅近くにある「金ちゃん」。(https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132102/13017070/

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その焼き鳥屋に変装して潜入していた神戸君。右京さんと官房長の過去が気になっていたところで、2人の会話を盗み聞きしようとするのですが、あっさりバレてしまいます(笑)。

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藤石の転落は自殺ではなく、年金保険事務所の人間による殺人であったことを右京さんが突き止め、事件は解決。その過程で、「FAファイル」という年金保険事務所にとって都合の悪いデータを記録したCDの存在があぶり出されます。そのことを官房長に報告する右京さん。場所はおなじみ日比谷茶廊(https://hibiyasaroh.jp/)。

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この会話、神戸君がまたまた盗み聞きしています。↓の右京さんの背後に座っている髪の長い人。おそらくこれが女装した神戸君。こんどはバレませんでした。

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最後に再び官房長室。都合の悪いFAファイルを警視庁に先に見つけられたことを官房長から告げられた年金事務所面々は、その隠蔽を懇願。でも、官房長は厳しい態度を取ります。

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右京さんと官房長のいつもながらのやりとりに、神戸君がコミカルに絡んで、味のある回でした。

 

相棒シーズン8第1話「カナリアの娘」

  本多篤人初登場回。偽造パスポートで入国し、偽造運転免許証で車を運転してアジトへ。成田に到着した右京さんは、なぜか迎えに来た神戸の車で東京へ。途中、同じく成田から都心へ向かう本多の車を不審に思ったことがきっかけで、偽造運転免許証の本人にたどり着き、その人を死体で発見します。一方、アジトにたどり着いた本多は官房長に電話をかけます。

 

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帰国早々事件を掘り起こした右京さんと神戸君が特命係へ戻ると、すでにお客さんが・・・。

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勝手にコーヒーを入れて特命係を待っていた官房長。こういうときは、決まって、特命係に仕事を頼みたいとき。

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官房長「君が神戸君?」

神戸君「あっ・・・神戸です。はじめまして」

官房長「どうも、小野田です。」

 

あれ?官房長と神戸君は、シーズン7最終話「特命」ですでに会っているのに。神戸君の特命係への辞令を言い渡す場にいて言葉を交わしてます。神戸君は戸惑った表情をしているので、初対面の芝居をしているようです。

 

続く会話。

官房長「頼み事するのに呼びつけるのはどうかと思って、わざわざ僕のほうから出向きました」

右京さん「恩着せがましくおっしゃるほどの距離じゃありませんがね。お隣のビルですから」

官房長「そういう物理的な問題じゃないでしょ」

 

官房長と右京さんらしい会話ですね。

 

本多から官房長への電話は、娘の早瀬茉莉を守ってほしいとの依頼。実は本多は茉莉の観に危険が及ぶとの脅しで爆弾テロを強要されていました。それで官房長は、茉莉を保護するよう特命係に頼みに来たわけです。

 

茉莉を保護し、ホテルに隔離した特命係ですが、神戸君が何者かに襲われ、茉莉は拉致されてしまいます。本多から拉致を知らされた官房長は、神戸君のいるホテルへ。f:id:PARTENAIRE:20180809233848p:plain

官房長「(右京さんと)一緒にいるのしんどい?」

神戸君「あ・・・あ、いえ」

官房長「意外とハモってる?」

神戸君「新鮮な驚きとともに日々楽しく過ごしています」

 

実は、茉莉の拉致は偽装で、犯人らと茉莉はグルでした。官房長はなんと本多と会います。アジトを喋らせるのですが、その声をポケットにしのばせた携帯で録音し、公安刑事に聞かせ、アジトへ本多確保に向かわせます。やはりしたたかな官房長。

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この後、本多は官房長に取引を持ち掛け、自身の身柄を確保させる代わりに、偽装誘拐で警察に捕まった茉莉の釈放を求めます。その取引に乗った官房長。

 

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茉莉の釈放に納得がいかない右京さんは、官房長室に抗議へ。これもよくあるパターンですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

相棒シーズン7サマリ

ついに神戸登場までたどり着きました。シーズン7の小野田官房長出演率は42%で、急に上がりました。亀山卒業回がスペシャル相当だったことに加え、第7話「最後の砦」、第12話「逃亡者」が、警察の不祥事に絡む内容だったことも要因でしょう。