相棒シーズン20第3話「復活~最終決戦」
2018年10月にこのブログの最後の記事を書き、全部書き切ったつもりで、その後更新することはありませんでした。それがまさか、3年経って、新たな記事を書くことになるとは予想もしませんでした。
シーズン20第3話で小野田官房長がサプライズ登場。回想シーンではありません。でも、小野田官房長はすでに亡くなっているので、ドラマでは「右京さんの目の錯覚」という位置付けでした。
右京さん、冠城君、甲斐さんが話しながら歩くラストシーン。すると前方から歩いてくる男性。場所はこのブログのカバー写真にもなっている国会前庭洋式庭園。
なんと小野田官房長。
そして右京さんとすれ違う。
右京さんは、思わず振り返り、「官房長」と声を発します。でも、冠城君や甲斐さんには見えていないようです。
右京さん「官房長」
冠城「え?」
甲斐「どうした?杉下」
右京「あ、いえ、なんでもありません」
冠城「あれ、今、官房長って言いました?」
右京「君の、聞き間違いですよ」
右京「僕の、見間違いでしょうから」
すれ違って離れた後、小野田官房長が振り返ります。
しかし、・・・
このシーンの前に、エンドロールの出演者に「岸部一徳」の名前が出てきちゃったので、小野田官房長が出てくるってわかっちゃいました。
回想シーンが出るのかな、と思ったけど、なんと、新たに撮影された姿が。劇場版Ⅱ(https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/09/24/233514)の殉職は2010年でもう11年前なので、岸部一徳さんもさすがにお年を召され、残念ながら連続性がなくなってますが、仕方ないですね。それこそディープフェイク技術でなんとかできなかったか。
これが本当にこのブログの最後の記事になるか。それともまたサプライズ登場があるのか。楽しみ。
官房長室の変遷
小野田官房長登場シーンとして、会食シーンの他によく出てくるのが官房長室です。右京さんとのスリリングなやり取りはもちろん、大河内さんと駆け引きして彼をうまく動かしたり、特命を排除しようとする内村刑事部長をはぐらかしたりなど、名シーンの数々がありました。そんな官房長室も、よく見ると、シーズンによってロケ場所が変わっているようです。
シーズン1の官房長室(第1話「右京撃たれる」より)
窓の外に見えるビルは、西新宿のハイアットリージェンシー東京と思われます。そうすると、その下に見える木々は新宿中央公園となります。
シーズン2の官房長室(第2話「特命係復活」より)
やはり、窓の外に、ハイアットリージェンシー東京と思われる建物が見えます。
シーズン3の官房長室(第12話「警官殺し」より)
内装、窓の外の景色ともに、シーズン1、シーズン2と同じようです。
シーズン4の官房長室(第9話「冤罪」より)
内村刑事部長の頭の辺りに見えるのがハイアットリージェンシー東京、官房長の背後に見えるのがヒルトン東京。やはり、シーズン1~3と同じ場所です。
以上から、シーズン1~4はの官房長室は同じ場所で、窓の外にハイアットリージェンシー東京やヒルトン東京、その位置関係から新宿中央公園と思われる木々のてっぺんが見える高さであることから、場所は西新宿のビルの5階くらいではないか、と推測されます。
続いてシーズン5。
まずは、第15話「裏切者」。官房長室シーンで右京さんが上層部にトリックを仕掛け形成を逆転する痛快なシーンでした。官房長室をいくつかの角度から見てみると・・・
シーズン4までとは明らかに違う場所です。2枚目の官房長の背後には、遠くにビル群が見えます。これだけだとちょっとロケ地はわかりません。また、窓の外の景色は、実際のものではなく合成等で作り出していることもあるようなので、なお特定は難しそうです。
シーズン5では、最終話「サザンカの咲く頃」でも官房長室が登場します。別角度から2枚ほど見てみます。
第15話「裏切者」とはまた違う場所のようです。同じシーズン内でもロケ場所を変えたようです。
シーズン6。
第1話「複眼の法廷」。
最終話「黙示録」
以上、シーズン6はいずれも同じ場所のようです。
シーズン7。
まずは第8話「レベル4」。
第12話「逃亡者」から2枚。
シーズン7の3枚を見ると、シーズン6とは同じ場所のようですが、よく見ると、シーズン5最終話「サザンカの咲く頃」とも同じ場所のようです。壁の色が違うので一見違って見えますが、天井や(シーズ7で額が飾ってある)柱など、同じです。
劇場版Ⅱ
これは間違いなく、シーズン7の部屋と同じです。
以上を整理すると、
- シーズン1~4の官房長室は同じ場所で、西新宿の新宿中央公園となりのビル。
- シーズン5第15話「裏切者」で別の場所に変わる。
- シーズン5最終話「サザンカの咲く頃」でまた別の場所に変わり、以降、劇場版Ⅱまで同じ場所。シーズン6第1話「複眼の法廷」で壁が白から木目調に変わっている。
という感じでしょうか。
官房長のグルメシーン全リスト
官房長の食事シーンをまとめてみます。
【花の里】
相棒の食事シーンと言えば、何と言っても「花の里」。官房長は、花の里に合計3回訪れています。
●シーズン1第5話「目撃者」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/16/215250
官房長の花の里初来店。
●相棒シーズン4第11話元日スペシャル「汚れある悪戯」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/19/234140
例によって勝手に動く特命係に小言を言いに来る官房長。
●相棒シーズン7最終話「特命」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/07/30/000506
神戸君初登場回。新しい相棒はどうか、探りを入れに来る官房長。
【回転寿司】
右京さんとの会食と言えば、やはり回転寿司。皿をコンベアに戻してしまう官房長とそれをたしなめる右京さん。エリート官僚で世間常識にうとくどこか天然な官房長をおもしろおかしく描いています。
●シーズン1第4話「下着泥棒と生きていた死体」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/16/214520
初の回転寿司シーン。
●シーズン2第1話「ロンドンからの帰還〜ベラドンナの赤い罠」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/16/225832
●相棒シーズン3第4話「女優〜前編〜」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/17/234018
このときは、一度取った皿を戻してしまいます。
●相棒 -劇場版- 絶体絶命! 42.195km 東京ビッグシティマラソン
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/30/235643
最初に右京さんに注意されてから6年近く経つのに、まだ皿を戻す官房長。
●相棒シーズン7第12話「逃亡者」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/07/29/222328
今度はお茶の入れ方がわからない官房長。この時は皿を戻したのかどうか、不明。
●相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/09/24/233514
最初に右京さんに注意されてから8年、ようやく皿を戻さなくなれたのに(笑)、このあと殉職してしまいます。
【日比谷茶廊】
相棒グルメの定番ロケ地と言えば、日比谷公園内にある「日比谷茶廊」。
●相棒シーズン5第1話「杉下右京 最初の事件」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/20/004208
日比谷茶廊はシーズン2が最初の登場でしたが、官房長はこの回が初。
●相棒シーズン5最終話「サザンカの咲く頃」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/20/012528
●相棒シーズン6最終話「黙示録」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/27/210016
●相棒シーズン7第12話「逃亡者」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/07/29/222328
この回は3回も来ます。
【B級グルメ:ハンバーガー、ラーメン、屋台、焼き鳥、お好み焼き】
いずれも六本木の「ハンバーガーイン」という店ですが、残念ながら今はなくなっています。
●シーズン1第1話「警視総監室にダイナマイト男が乱入!刑事が人質に!? 犯罪の影に女あり…」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/16/212523
意外にも官房長初登場シーンはハンバーガー店でした。
●相棒シーズン3第3話「双頭の悪魔III〜悪徳の連鎖」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/17/232246
●シーズン1最終話「午後9時30分の復讐 特命係、最後の事件」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/16/221055
唯一のラーメン店。
●シーズン2第6話「殺してくれとアイツは言った」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/16/232039
最初で最後の屋台。
●相棒シーズン8第7話「鶏と牛刀」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/08/19/213330
焼き鳥。練馬駅近くの「金ちゃん」にて。
●相棒シーズン7第7話「最後の砦」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/06/03/211006
お好み焼きもありました。渋谷の「Kirara風月」は残念ながら閉店しています。
【ちょっと高そうなところ】
●相棒シーズン3第12話「警官殺し」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/18/214754
鍋。
●相棒シーズン5第15話「裏切者」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/20/010750
天ぷら。ここ「稲ぎく」も今は閉店中。1万8千円くらいのコースか?せっかく官房長が払おうとしたのに、右京さんは「勘定は別で」と言っちゃいます(笑)。
●相棒シーズン6最終話「黙示録」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/27/210016
焼肉。「叙々苑」みたいなので、それなりに高そう(笑)。
●相棒シーズン8最終話「神の憂鬱」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/09/09/144605
高級そうな中華料理店。ロケ地は実際の中華料理店ではなく、「山野美容専門学校」のオフィスフロア―のようです。
【番外:クラブ、右京さん以外の人との会食】
●シーズン2第6話「殺してくれとアイツは言った」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/16/232039
作家の菅原に同伴してクラブに行くシーンがありました。
●シーズン2第2話「特命係復活」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/16/230533
(犯人の)小暮ひとみにさぐりを入れるために中華に誘います。こんなに一気に料理が並ぶのは本当はありえないですが、豪華さの演出ですかね。
●シーズン2第6話「殺してくれとアイツは言った」
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/16/232039
作家の菅原(真犯人)としんみり。
官房長の食事シーンのほとんどは右京さんとの食事で、とても味わいのある会話がたくさんなされてきました。これがもう見られないのは本当に残念。
シーズン9,12サマリ
官房長が殉職する劇場版Ⅱは2010年7月の設定。つまり、シーズン9開始より前に亡くなっていたことになります。シーズン9第9話「予兆」は、同じく2010年7月で、劇場版Ⅱの前日の設定。一方、シーズン9最終話「亡霊」、シーズン12最終話「プロテクト」は官房長殉職後の話。「生存時の官房長」が仕掛けたことが現在の事件につながる、という形での官房長が登場しました。シーズン9は、「もう官房長はいない」わけですから、登場回数は少ないですが、シーズンの真ん中で劇場版Ⅱがあり、最終話は回想シーンながらストーリー上の重要人物として登場。ある意味、官房長のシーズンと言ってもいいかもしれません。
相棒が冠城亘になって以降は、官房長の登場はありませんが、シーズン9最終話「亡霊」、シーズン12最終話「プロテクト」のような形での登場に期待したいところです。
官房長登場回を追いかけてきたこのブログも、これで一区切りです。
シーズン12最終話「プロテクト」
2010年7月の官房長殉職から4年半。相棒も甲斐亨(カイト)に代わりましたが、官房長がストーリーのキーパーソンになります。新規に撮影されたシーンはないようなので、「出演」ではないようです。
闇社会の大物・御影康次郎の死刑が確定し、決め手は、彼の三男・智三の証言でした。出所したばかりの長男・真一と弁護士の次男・悠二は、父親を裏切った智三が許せず探そうとしますが、どうしても見つかりません。悠二は、警察がアメリカの「証人保護プログラム」に似たやり方で、智三を別人にして復讐から守ろうとしていて、さらに、それを主導したのが、小野田官房長ではないかと推測します。
出勤してきたカイトが新聞紙を手にしています。そこには、故小野田官房長による一億円の使途不明金事件の記事が。
カイト「こんな大金、何に使ったんでしょうねえ」
右京さん「さあ、皆目見当もつきません。しかし・・・」
カイト「しかし?」
右京さん「もし、官房長が1億円を使ったのだとしたら、間違いなく必要なことに使ったのだと思いますよ」
一方、康次郎は、真相を突き止めるために、同じ拘置所内で拘留中の瀬戸内米蔵に接触します。官房長と「昵懇」だったと知ってのこと。
瀬戸内から真相を聞き出すのが不可能と考えた康次郎は、真一に指示して刑務官家族を人質にし、瀬戸内を脅します。瀬戸内は特命係に協力を依頼します。
依頼を受けた右京さんは、朝の4時かかわらず、カイトと米沢さんを呼び出します。瀬戸内によれば、10年前に官房長から依頼を受けたとのこと。康次郎を罪に問うために智三に証言させ、智三の身を守るために、まだ日本にはない「証人保護プログラム」を強引に実施し、智三を別人にしてしまう、というものです。ここでも、「不可能を可能にする」ために瀬戸内を利用したのでした。一億円の使途不明金はこのために使われたようです。
通常のやり方で智三を別人にするのは不可能。そこで、右京さんは推理を働かせ、「戸籍の電子化作業ミス」を装って智三に別人の戸籍を与える方法に思い至り、かつ官房長に協力した者という条件から、官房長のいとこにたどり着きます。
彼は戸籍改ざんを認めます。さらに、「公顕」は本当は「キミアキ」と読むことを明かします。官房長殉職から4年半にしてこの事実。これ、必要だったんでしょうか(笑)?
生存時から、「日本版FBI」とか、警察庁から警察省への格上げなどを画策し、シーズン4「閣下の城」での北条の釈放、シーズン9「亡霊」での死刑囚本多篤人の極秘釈放など、「使えるものは親でも使っ」て不可能を可能にしてきた官房長。今回は御影康次郎を死刑に追いやるため、「証人保護プログラム」を超法規的に実行。官房長らしさが存分に描かれた回でした。
シーズン9「亡霊」、そして今回、「生存時の官房長」が仕掛けたことが現在の事件につながる、という形での官房長が登場しました。相棒が冠城亘になって以降は、官房長の登場はありませんが、今後、こうした形での登場に期待したいところです。
相棒シーズン9最終話「亡霊」
劇場版Ⅱで殉職した官房長。シーズン9が始まるより前の2010年7月のこと。そのシーズン9の最終話に官房長が登場します。もちろんこのときはすでに亡くなっているので、回想シーンとしての登場になります。
本多篤人死刑執行か、という衝撃的なオープニング。しかし本多を待っていたのは片山雛子。しかも、釈放を言い渡します。
特命係の2人は、刑務所にいる瀬戸内米蔵に呼び出され、面会に行きます。そこで、本多篤人の死刑は執行されておらず、釈放されたことを瀬戸内の口から聞きます。そのようなねつ造は不可能だという右京さんに瀬戸内は、
瀬戸内「不可能を可能にできる人間が、一枚も二枚も噛んだとしたら?」
そして、瀬戸内は、この話を、自分を慕ってくれる刑務官の一人から聞いたと言います。
釈放された本多は娘の茉莉に会いに行きますが、茉莉のマンションで暴漢に襲われ、本田は暴漢を殺してしまいます。その後茉莉のマンションを訪れた特命2人は暴漢の遺体を発見。警察がかけつけ、現場を調べているところ、マンション前を何度も通る不審な車のナンバーから、片山雛子にたどり着き、彼女を訪ねます。そこで重要な話が明かされます。話は2010年6月にさかのぼります。官房長が殉職の1か月前。
首相官邸に赤いカナリアから脅迫文が届きました。本多篤人を釈放しなければ炭疽菌テロを敢行するというもの。片山雛子は首相官邸に呼ばれ、対策チームが組織されます。その指揮を執るのに最適な人物を呼ぶとのこと。
その人物は、
ということで、官房長登場です。繰り返しますが、これは官房長殉職の1か月前のシーンです。表向きは本多篤人は死刑執行されたものとし、ひそかに彼を釈放し、別人として国外に逃がし、表向きは政府はテロに屈しなかったということにする、というのが官房長のシナリオでした。
官房長は、娘の茉莉にも接触し、本多を釈放するから、会いに来たら彼の居場所を教えるよう要請します。
再び瀬戸内米蔵との面会。本多釈放は刑務官から聞いたというのは嘘で、本当は小野田官房長だったのではないかと追及し、瀬戸内はそれを認めます。やはり2010年6月のこと。
つまり、瀬戸内の言う、「不可能を可能にできる人間」は官房長だったわけです。この瀬戸内によるこのフレーズ、シーズン4第1話にも出てくるんです。
https://partenaire.hatenablog.com/entry/2018/05/19/231906
瀬戸内との面会の帰りの車。右京さんは、週末、官房長のお墓参りに行こうと神戸君を誘います。
官房長死後の話なのに、官房長がキーマン、という回でした。
相棒 -劇場版II- 警視庁占拠! 特命係の一番長い夜
劇場版Ⅱ。ついに官房長殉職です。当然ストーリーの大事なポイントに官房長が関わってきます。
シーズン9第9話「予兆」から話がつながっています。「予兆」は2010年夏の設定なので、この回も2010年夏。「予兆」の最後で、警視庁に向かう男が映し出されますが、この男がそのまま警視庁に入り込み、警視総監を含む幹部定例会議の場に乱入し、籠城事件を起こします。
警視庁での籠城事件発生を警察庁長官の金子に伝え、対応を話し合う官房長。しかし、純粋な対応ではなく、彼らには、この機会に警視庁に対し、警察庁を優位な立場に立たせるあるたくらみがあります。
籠城事件は、犯人射殺の形で終結。そのことを金子に報告する官房長。それだけでなく、「長官の意向に役立つ」あるものを入手したとして、それを渡します。
出ました、右京さんと官房長の会食シーン。今回はもはや名物の回転寿司。残念ながら、これが最後の会食。今回の籠城事件の背景には、7年前に捜査員が死亡した爆発事件があるらしいことをつかんだ右京さんはそのことを聞くために官房長を誘ったようです。官房長は「よく知らないんだ」と受け流します。
ちなみにロケ地は劇場版の回転寿司シーンと同じ「活鮮 大泉店」(https://tabelog.com/tokyo/A1321/A132103/13042899/)。閉店しちゃった?
官房長「たまには未来を思い描いてもいい頃だと思わない?」
右京さん「はい?」
官房長「人はたいがい前に向かって成長する生き物でしょ。僕だってほら、今日は皿を戻してないし」
右京さん「それは成長ではなくただの常識です」
官房長「これはまだ内緒なんだけど、近々大きな動きがある」
この「大きな動き」がこのストーリーの大きなポイントです。
場面変わって大河内さんと。「長官の意向に役立つ」あるものとは録音音声の入ったSDカード。これを大河内さんに聞かせます。「長官の意向に役立つ」=「大きな動き」=「官房長の計画」。そしてその計画は大河内さんも賛成しているもの。そういえば、以前からこの2人は、日本版FBIとか日本版CIAとか話してましたね。いずれにせよ、大河内さんもその方向性に賛同している「大きな動き」実現のため、特命2人がこれ以上籠城事件を掘り下げないよう大河内さんに頼みます。
特命2人は、籠城事件の背景にある7年前の爆発事件に警視庁幹部が関わっていることを突き止めますが、官房長に頼まれた大河内さんがそれを阻止するという展開に。
録音音声という切り札を持つ金子長官と官房長は、田丸警視総監を料亭に呼び出し、警視庁幹部の人事刷新を迫ります。それは、官房長らが進めようとしている「大きな動き」に警視庁幹部が反対するため、それを抑える措置。
一方、定例会議室に盗聴器が仕掛けられていたことを発見した右京さんは、仕掛けたのが官房長であることを突き止め、官房長室へ。官房長が入手した録音音声は、定例会議の盗聴音声だったのです。右京さんは、盗聴が違法行為であることを責め、さらに、盗聴音声に7年前の爆発事件のことを語る犯人の声が含まれているのではないかと官房長にせまります。官房長は、いつものようにのらりくらりとかわすのではなく、厳しい態度で拒絶します。
そして、警視庁幹部人事刷新を通達する会議。最初の解雇対象は、ノンキャリアのたたき上げで生活安全部長にまで昇進した三宅部長でした。
官房長に頼まれていったんは特命係の動きの阻止に回った大河内さん。その後神戸君との激しいやりとりが2度あり、ついに大河内さんは特命係に盗聴音声を渡します。その音声から警察幹部が籠城犯を意図的に射殺したことを右京さんが突き止めます。一方、大河内さんは、特命係に音声を渡したことを官房長に報告。官房長はしたたかにも、ありえない手を使って特命係の動きを止めようとします。「ありえない手」とは、部下の丸山に、盗聴の実行者として自首させ、盗聴音声の証拠能力をなくさせるというもの。
特命2人は官房長のところへ。官房長は「警察庁を警察省に格上げしようと動いている」ことを明かします。これが「大きな動き」の内容でした。その動きを良しとせず抵抗しようとしていた警視庁幹部を、盗聴音声を武器に抑えにかかったというわけでした。
官房長のやり方に納得のいかない右京さんと神戸君。しかし、官房長は、
官房長「正義の定義なんて、立ち位置で変わるもんでしょ」
厳しい態度で特命2人をはねつけた官房長。しかし、その直後、駐車場へ出たところで、壮絶な最後を迎えます。待ち構えていた男に刺されてします。その男は、警視庁幹部人事刷新で最初のターゲットになった三宅部長でした。
「大きな動き」の神輿を担ぐ人間をなくした警察庁は、警視庁に押し返され、「警察省」構想は棚上げに。ラストシーンは、官房長の警察葬のシーン。ここでも真相追究の姿勢を貫く右京さん。余韻のない「ガシャン」という感じの終わり方で、劇場版Ⅱはエンドロールを迎えます。
官房長初登場が2002年10月9日放送のシーズン1第1話。そこから8年での殉職となりました。そして官房長殉職後すでに8年(2018年9月現在)。ほぼ同じ月日が流れました。相棒の歴史の半分は官房長のいない相棒なんですね。そしてこれから官房長のいない期間のほうが長くなる。
官房長と右京さんの独特の関係が、相棒になんともいえない緊張感とユーモアを加え、くせになる味を加えてきたと思います。それが今後味わえないのはやはりさみしいですね。
さあ、これで官房長登場は実質おしまい。でも、もう1回だけ、わずかながら登場があります。それは次回。